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『生きる歓び』(いきるよろこび、原題:')は、エミール・ゾラの20巻から成る『ルーゴン・マッカール叢書』のうち第12巻に当たる小説である。1883年に『ジル・ブラ』誌に連載され、1884年2月、書籍として刊行された。)は、エミール・ゾラの20巻から成る『ルーゴン・マッカール叢書』のうち第12巻に当たる小説である。1883年に『ジル・ブラ』誌に連載され、1884年2月、書籍として刊行された。 == あらすじ == 主人公は『パリの胃袋』(1873年刊)のリザ・マッカールとクニュとの間の娘、ポーリン・クニュである。 話は1863年に始まり、およそ10年間を対象としている。10歳のポーリーヌは、両親に死なれ、父方の親戚シャントー家のもとで、ノルマンディー地方のから10キロほど離れた海沿いのボンヌヴィルの村に住んでいる。ポーリーヌの楽天的で明るい性格が、冷たく陰鬱なシャントー家の人々と対照的に描かれている。特にシャトー家の19歳の息子ラザールは、アルトゥル・ショーペンハウアーの著作を熱心に読み、人生の虚しさ、悲観主義、ニヒリズムに浸っている青年であった。 数年のうちに、経済的な失敗が続いたシャントー夫人はポーリーヌの遺産から「借用」をすることになる。さらに、ラザールが海藻から鉱物を抽出する工場や、ボンヌヴィルの村を大波から守るための防波堤を築く事業に投資するが、いずれも失敗に終わり、これによってポーリーヌの財産はますます食いつぶされてしまう。しかし、ポーリーヌは楽天的な人生観と、ラザールやその両親に対する愛情を失わない。その愛情はボンヌヴィルの村全体に及び、貧しくも強欲な人々にお金や食べ物などの援助をする。 次第にシャントー夫人はポーリーヌを憎むようになり、一家の不運を彼女の責任にし、けちで感謝を知らず自己中心的だと罵るようになる。夫人は死に際においてさえ、看病するポーリーンに対して、自分に毒を盛ったのではないかと疑いをかける。ポーリーヌとラザールは暗黙のうちに結婚を約束する仲になっていたが、ポーリーヌは、ラザールが富裕な銀行家の娘ルイズと結婚できるよう、身を引く。しかし、ラザールの強迫神経症がエスカレートし、彼の死への恐怖がルイズにも伝染するなど、この結婚は幸せなものにはならなかった。ラザールは定職に就かず、無気力な生活を送る。 ルイズは出産するが死産に近い男の子であった。ポーリーヌはこの男の子の肺に息を吹き込み、蘇生させる。この小説はその18か月後で終わる。ルイズとラザールは相変わらず不和であるが、この時の男の子ポールは元気に育っている。他方、ボンヌヴィルの村は大波で破壊されてしまう。家の女中が自殺し、シャントー氏は痛風に苦しむが、悲しみと不幸の中にも人生の歓びを見出しつつ、物語は終わる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「生きる歓び (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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